睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に気道が繰り返し閉塞または狭窄し、無呼吸・低呼吸が1時間に5回以上起こる疾患で、日中の強い眠気・集中力低下・高血圧・心臓病リスクの増加を引き起こします。適切な治療なしに放置すると、心房細動・心不全・脳卒中のリスクが最大2〜4倍に上昇します。健康日記は、CPAP使用記録・いびき・日中眠気(ESSスコア)・体重・血圧を継続管理し、睡眠外来への報告を効率化します。
無料でCPAP管理を始める →睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome / SAS)は、睡眠中に上気道が繰り返し閉塞または狭窄し、1時間あたり5回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸停止)・低呼吸が生じる疾患です。ICD-10 コードは G47.3 に分類されます。最も多いのは閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)で、舌根や軟口蓋が弛緩して気道を塞ぐことで起こります。
日本の潜在患者は約900万人と推計されますが、そのうち適切に診断・治療を受けているのはごく一部です。肥満・中年男性・閉経後女性・首が短い・あごが小さいといった体型的特徴がリスク因子になります。一方、非肥満者でも上気道の解剖学的特徴(小顎・鼻閉・扁桃肥大)によって発症することもあります。
放置すると高血圧・心房細動・心不全・2型糖尿病・脳卒中・交通事故リスクが著しく上昇します。いびきや日中の強い眠気がある場合は、睡眠外来での検査を検討してください。
8つの場面(読書中・テレビを見ているとき・公共の場所に座っているとき・乗り物に乗っているとき・午後横になっているとき・誰かと話しているとき・昼食後に静かに座っているとき・自分が運転する車が渋滞で止まっているとき)での「うっかり眠ってしまう」確率を 0〜3 点で自己評価し合計します。11点以上が「過度の眠気あり」の目安で、SASのスクリーニングに広く使われます。健康日記では毎朝のESSスコアを記録・グラフ化できます。
睡眠時無呼吸症候群の診断は睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻科で行われます。
鼻または口から一定の陽圧空気を送り込み、気道の閉塞を物理的に防ぐ治療法です。中等症(AHI 15〜30)以上でCPAPが保険適用となります(月2回の外来受診が必要)。機器はレスメド(ResMed)・フィリップス・フクダ電子・帝人ヘルスケア等からレンタル提供されます。
CPAP の種類は①CPAP(固定圧)、②APAP(自動調整式)、③BiPAP(二相性、吸気・呼気で圧力が異なる)があり、APAPは夜間の体位や睡眠段階に応じて圧力を自動調整するため快適性が高く、初回導入に多く使われます。
継続使用(4時間/日以上・月70%以上の日)で保険継続適用となります。機器のSDカード・クラウドアプリ(ResMed myAir・Philips DreamMapper等)でAHI・リーク値・使用時間を確認できます。
下顎を前方に引き出す形状のマウスピースを睡眠中に装着し、舌根の後退・軟口蓋の弛緩を防ぎます。軽症〜中等症SASやCPAP不耐容の場合に有用です。歯科・口腔外科で保険適用(睡眠外来からの紹介が必要)で作製できます。歯ぎしり・顎関節症への影響を定期的に確認します。
体位療法: 仰向け(背臥位)で悪化するSASでは、側臥位(横向き)で寝ることでAHIが改善します。体位記録アプリやウェアラブルデバイスで睡眠姿勢を確認できます。
減量: BMIと SAS 重症度は強く相関します。体重の10〜20%減少でAHIが30〜50%改善し、CPAP不要になる例もあります。GLP-1受容体作動薬(リベルサス・オゼンピック・フォシーガ等)を用いた減量でSAS改善が近年注目されています(SURMOUNT-OSA試験)。
禁酒・鎮静薬の回避: アルコールや睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)は筋弛緩作用でSASを悪化させます。就寝前飲酒は特に避けてください。
鼻閉の改善: 鼻中隔弯曲症・鼻炎がある場合、点鼻薬・手術で鼻通気を改善するとCPAP快適性が向上します。
UPPP(口蓋垂軟口蓋形成術): 口蓋垂・軟口蓋の一部・扁桃を切除して気道を拡大。効果は40〜60%で中等症以下に適応。術後に気道閉塞が再発することもあります。
HNS(舌下神経刺激療法): 胸部に埋め込んだ機器が舌下神経を刺激し、睡眠中の舌根後退を防ぐ。CPAPへの忍容性が低い中等症〜重症OSASに適応。欧米では普及が進んでいます(日本では限定的)。
ASV(適応型サーボ換気): 中枢性睡眠時無呼吸や複雑型SAS(CPAPで誘発される中枢性無呼吸)に対応する高度な陽圧換気療法。心不全合併例では使用に注意が必要です。
CPAP(レスメド・フィリップス・フクダ電子等の機器)、マウスピース(スリープスプリント・口腔外科処方)、体位記録アプリ(背臥位→側臥位への改善)、減量補助(フォシーガ・GLP-1・リベルサス)、高血圧合併:ARB・ACE阻害薬・Ca拮抗薬
自宅で行う簡易ポリグラフ検査(携帯型睡眠呼吸モニター)か、医療機関での終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)でAHI(無呼吸低呼吸指数)を測定します。AHI 5〜15が軽症、15〜30が中等症、30以上が重症です。日中の眠気・いびき・起床時頭痛がある場合は睡眠外来を受診してください。
閉塞性SASの根治療法はないため、多くの場合CPAPは長期継続が必要です。しかし体重を10〜20%減量するとAHIが著しく改善し、CPAPが不要になる場合もあります。継続4時間/日以上を達成すると保険が継続適用(月2回の受診で機器レンタル)されます。
マスクのサイズ・種類(鼻マスク・フルフェイス・ネーザルピロー)を変更する、圧力設定を調整する(APAP:自動調整式が快適な場合が多い)、加湿器を使う、などが有効です。使い始め1〜2ヶ月は慣れに時間がかかりますが、不快感が続く場合は睡眠外来で相談してください。
SASでは夜間の無呼吸ごとに血圧が急上昇・酸素低下が繰り返されるため、交感神経亢進・酸化ストレスが心血管系にダメージを与えます。難治性高血圧の約50〜80%にSASが合併しています。CPAP治療で血圧が5〜10mmHg低下し、心房細動・心不全・脳卒中リスクが低下します。
肥満が主因の場合、体重の10〜20%減少でAHIが30〜50%改善し、CPAP不要になる例も多くあります。GLP-1受容体作動薬(リベルサス・オゼンピック)を用いた減量でSAS改善が近年注目されています(SURMOUNT-OSA試験)。ただし非肥満のSASは体重減少の効果が限られるため、下顎前突(マウスピース)や体位療法が有用です。