トラウマ体験の後に生じる PTSD。フラッシュバック・回避・過覚醒は「心の弱さ」ではなく、脳の防衛反応です。記録と専門的治療で回復は可能です。EMDR・PE 療法・薬物療法の最新情報をまとめました。
無料で記録を始める →PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)は、生命の危機や強い恐怖・無力感を伴う体験(トラウマ)の後に生じる精神疾患です。ICD-11 では 6B40、DSM-5 では「外傷およびストレス因関連障害」に分類されます。
トラウマとなりうる体験には、事故・自然災害・犯罪被害・性的暴力・DV・虐待・いじめ・戦争・突然の死別・医療トラウマなど多様なものが含まれます。「弱いからなる病気」ではなく、強烈なストレスに対する脳の正常な反応が固着した状態と理解されています。
複雑性 PTSD(CPTSD)は、ICD-11 で独立した診断として認められています(6B41)。長期反復的なトラウマ(幼少期の虐待・長期 DV・監禁・組織的な搾取など)の後に生じ、PTSD の中核症状に加えて以下が顕著です:
CPTSD の治療は PTSD より複雑で、段階的アプローチ(安定化→トラウマ処理→再統合)が推奨されます。
両眼球を左右に動かしながらトラウマ記憶を少量ずつ想起・再処理する技法。WHO・米国 APA・英国 NICE が PTSD の第一選択治療として推奨。記憶の感情的強度を下げ、過去の出来事として「整理」する効果があります。通常 8〜12 セッション。EMDR 認定療法家は EMDR Japan で検索できます。
安全な環境でトラウマ記憶を繰り返し詳述し(イマジナルエクスポージャー)、回避していた状況に段階的に向き合う(in vivo エクスポージャー)CBT。研究で最も強いエビデンスがある手法の一つ。10〜15 セッション。
トラウマに関する「スタックポイント」(例:「自分が悪かった」「世界は危険だ」)を特定し、認知的に再構成する 12 セッションの構造化 CBT。書くことを中心とするため、EMDR が難しい場合の代替として有効。
日本で PTSD 適応を持つ薬は①セルトラリン(ジェイゾロフト)②パロキセチン(パキシル)の SSRI 2 剤。侵入症状・過覚醒・うつ症状を和らげますが、心理療法と組み合わせることが推奨されます。プラゾシン(悪夢に有効)は日本では適応外ですが一部で使われます。
健康日記で記録すべき項目:
AI が回復パターンを分析し、安定している日と困難な日の傾向を可視化。セラピーセッションに持参する「今週の記録サマリー」も自動生成できます。