パニック発作・予期不安・広場恐怖――繰り返す発作の恐怖で
行動範囲が狭まってしまう前に。発作の状況・誘因・SSRI の効き目を
毎日記録することで、治療の効果を見える化できます。
パニック発作は「発作がいつ来るか分からない」という予期不安が症状を悪化させます。発作の日時・場所・状況・誘因を記録すると、①発作が実は特定の状況(疲労・空腹・カフェイン・電車内)に集中していることが分かる②SSRI の効果が数値で見える(月の発作回数の変化)③曝露療法の「恐怖ヒエラルキー」作成に活用できる④受診時に「この1ヶ月で発作は3回、主にXX駅のホームで」と正確に伝えられる。
【SSRI(第一選択・予防薬)】エスシタロプラム(レクサプロ)/ パロキセチン(パキシル・パキシルCR)/ フルボキサミン(デプロメール)/ セルトラリン(ジェイゾロフト)【SNRI】ベンラファキシン(エフェキサー)【頓服(急性発作時のみ)】エチゾラム(デパス)/ アルプラゾラム(コンスタン)――依存リスクがあるため短期・頓服に限定【その他】クロナゼパム(リボトリール)― 予防補助薬として使われることもある
動悸・心拍の急増、発汗、震え、窒息感・息苦しさ、胸痛・胸部不快感、吐き気・腹部不快感、めまい・ふらつき、離人感・非現実感、「死ぬかもしれない」「気が狂いそう」という恐怖のうち4つ以上が数分以内にピークに達するのがパニック発作の典型像です。多くは10〜20分で自然に消失しますが、体験が非常に苦しいため「また来るかも」という予期不安が残ります。
第一選択はSSRI(エスシタロプラム・パロキセチン・フルボキサミン等)です。効果が出るまで2〜4週かかりますが、長期的に予防効果があります。急性発作への頓服としてベンゾジアゼピン系(アルプラゾラムなど)が短期的に使われますが、依存リスクがあるため長期使用は避けます。薬剤と認知行動療法(CBT)の組み合わせが再発予防に最も効果的です。
CBT では発作に対する「破滅的な思考(動悸=心臓発作)」を現実的な評価に置き換えます。曝露療法は恐怖を避けずに段階的に接触し、「発作が来ても乗り越えられる」と学習する方法です。自分の回避行動(電車に乗れない、外出できない)を記録し、段階的に挑戦する「曝露ヒエラルキー」を作成します。症状日誌は進捗確認と主治医との共有に役立ちます。
パニック障害の人の約 60% が広場恐怖症を合併します。広場恐怖症は、逃げられない・助けが得られない状況(電車・バス・映画館・エレベーター・人混み)への恐怖と回避です。回避が広がると行動範囲が急速に狭まり生活の質が低下します。症状日誌で「どの場所・状況を避けているか」を記録することが、曝露療法の計画作成と進捗確認に役立ちます。
①腹式呼吸(4秒吸って8秒かけてゆっくり吐く)で過呼吸を防ぐ②「発作は20分以内に自然に治まる」と自分に言い聞かせる③身体感覚に「5つ見えるもの、4つ触れるもの…」と意識を向けるグラウンディング技法④安全な場所に無理に移動しない(恐怖の条件付けを強化しないため)⑤記録アプリで発作の始まりと終わりを記録(次回受診時に医師と共有)。
本情報は参考情報です。治療法の選択は必ず精神科・心療内科の専門医にご相談ください。